日本における医薬品の分類と添付文書関連の法規制
日本における医薬品の分類と添付文書関連の法規制
まとめ
本稿では、日本の医薬品制度における分類体系および添付文書の法的枠組みについて、薬機法に沿って解説しています。医薬品は、リスクや使用対象に応じて「医療用医薬品」「要指導医薬品」「一般用医薬品」に分類され、それぞれ販売方法や情報提供の義務が異なります。添付文書は、適正使用と安全性確保のための法定文書であり、薬機法52条に基づき記載が義務付けられています。2019年改正以降、医療用医薬品では電子化(電子添文)が進み、最新情報の提供が容易になりました。厚生労働省の新記載要領やRMP(リスク管理計画)制度により、リスク情報の明確化と包括的管理が推進されています。また、効能・用量の変更には一部変更承認申請、安全性情報の追加には軽微変更届出が必要となり、迅速な情報反映が可能な体制が整備されています。
医薬品の分類体系と関連法規概要
日本の医薬品は、そのリスクや使用方法に応じて大きく 「医療用医薬品」, 「要指導医薬品」, 「一般用医薬品」 の3区分に分類されています。それぞれ販売方法や情報提供の規制が異なり、薬機法(医薬品医療機器等法)および関連政省令・通知によって定義されています。
医療用医薬品(処方箋医薬品を含む): 医師の診断・処方に基づき使用される医薬品で、効能効果が強く重篤な副作用リスクのあるものです。薬機法上、要指導・一般用医薬品以外の医薬品が「医療用医薬品」に該当し、これらは通常病院・調剤薬局で処方箋により交付されます。特に処方箋医薬品は薬機法第49条で「厚生労働大臣が指定する医薬品」と定義されており、原則として医師の処方箋なしに販売できません(緊急時等「正当な理由」がある場合を除く。)。処方箋医薬品の範囲や例外条件については、平成17年通知「処方せん医薬品の指定等について」(薬食発0330016号)に詳細が示されています。
薬局製造販売医薬品: 医療用医薬品の一種ですが、各薬局が自らの設備で製造し、その薬局内で直接販売できる調剤医薬品です(薬機法第4条第5項第2号所定の「薬局医薬品」)。処方箋の要否は製剤によりますが、毒薬・劇薬でない調剤薬は処方箋なしで販売可能な場合もあります。
要指導医薬品: 一般用医薬品に移行して間もない新しい成分の医薬品(スイッチOTCやダイレクトOTCと呼ばれる新規OTC医薬品)や、毒薬・劇薬であって特に注意が必要なものが該当します。薬機法第4条第5項第3号に定義され、厚生労働大臣の指定するものが要指導医薬品となります。薬剤師による対面での情報提供・指導が義務付けられており、一般の店舗で自由に手に取れず陳列も制限されます(購入の際は薬剤師が直接手渡しします。)。またインターネット等による通信販売は認められません。具体例として、医療用からOTCにスイッチ直後の成分(原則3年間は安全性検証期間)や、新規成分のダイレクトOTC(原則5~8年程度再審査期間)があります。これらは一定期間要指導医薬品として販売され、安全性評価後に第一類医薬品へ移行する仕組みです(スイッチOTCは約3年で、第1類へ、さらに評価確定後に第2類・第3類へ段階的移行)。なお、毒薬・劇薬も人に対する作用が強いことから要指導医薬品に指定されており、薬剤師の管理下でのみ販売可能です。要指導医薬品の該当品目リストは厚生労働省告示で公表されており、劇薬(※薬機法上の「医薬品」に該当するもの。非医薬品の毒物・劇物は別の法規で規制)なども含まれます。
一般用医薬品(OTC医薬品): 要指導医薬品以外で、一般消費者が自ら判断して購入できる市販薬です。薬機法第4条第5項第4号で定義され、リスクの程度に応じてさらに3つの区分に細分されます。すなわち第一類医薬品・第二類医薬品(指定第二類含む)・第三類医薬品です。この区分規定は薬機法第36条の7第1項各号に定められています。
第一類医薬品: 一般用医薬品の中で特にリスクが高いもの(副作用リスク等が高い成分)。新規スイッチOTC等、安全性検証中の成分は当初すべてここに分類されます。販売時には薬剤師が必ず対応し、対面での積極的な情報提供が義務付けられています。インターネット販売は可能ですが、店舗と同様に薬剤師等による適正な情報提供(サイト上での相談画面設置など)が求められます。なお第一類への区分指定は厚生労働大臣の告示によって具体品目が示され、スイッチ直後品目の移行時期などに応じて改正されます。
第二類医薬品: リスクが比較的高い一般用医薬品で、購入時に注意喚起が必要なものです。なかでも特に注意を要するものは指定第二類医薬品とされ、表示上や販売時により積極的な注意喚起が義務付けられています(例えば指定2類は陳列場所に「②」マーク表示等)。第2類の販売は薬剤師または登録販売者が対応でき、リスクや使用上の注意について必要に応じ情報提供を行いますこととされています。
第三類医薬品: リスクが比較的低い一般用医薬品です。副作用リスクが低く、情報提供に法定の義務はありませんが、購入者から相談があれば薬剤師・登録販売者が説明を行います。販売も薬剤師または登録販売者が行えます。
以上のように、医薬品の分類ごとに販売できる者(薬剤師 or 登録販売者)や販売方法(対面/ネット可否)、情報提供義務が異なります。2014年の薬機法改正により、それまで規制が曖昧だった通信販売も整備され、要指導医薬品以外の一般用医薬品は適切なルールの下で全てインターネット販売が可能となりました(要指導はネット販売不可です。)。例えば第1類医薬品は薬剤師の関与が必要、第2類・第3類は登録販売者でも販売可能、といった販売制度は政省令および通知で詳細に規定されています(平成26年薬機法改正施行通知「薬事法及び薬剤師法の一部改正の施行等について」(薬食発0310第1号)等)。また店舗での陳列方法についても、要指導医薬品・第1類はカウンター内等直接手に取れない陳列とすることや、第2類・第3類は一般陳列可など、省令(薬機法施行規則)や通知で細かく定められています。さらに毒薬・劇薬については薬機法第44条で表示・取扱規制が定められており、劇薬は上記の通り要指導医薬品として扱われます。
添付文書の記載事項に関する法規とガイドライン
添付文書(医薬品説明書)は、医薬品の適正使用と安全確保のために製造販売業者が作成し、医師・薬剤師など医療関係者や消費者に提供する文書です。薬機法および関連省令により、医薬品の容器・包装や添付文書に記載すべき事項が規定され、また厚生労働省通知により具体的な記載方法の指針(記載要領)が示されています。
添付文書記載に関する法令上の規定
薬機法第52条が添付文書等の記載に関する基本条文です。2019年の法改正(令和元年改正薬機法)により第52条は大きく改編され、第1項で主に医療用医薬品(処方箋医薬品等)について、第2項で要指導・一般用医薬品(市販薬)について規定する形に変更されました。改正後の条文のポイントは以下の通りです。
医療用医薬品の添付文書(注意事項等情報)
:薬機法第52条第1項に規定されています。改正により条文上は「添付文書」という語を用いていませんが、内容的には従来どおり医療用医薬品の添付文書を指すものです。同項では、「医薬品(※第2項に規定するものを除く)」について、その容器または被包に、情報通信機器を用いて当該医薬品の注意事項等の情報を入手するため必要な符号等を記載することが義務付けられました。平たく言えば、医療用医薬品については紙の添付文書そのものを容器に同梱する義務が廃止され、代わりに電子的に添付文書情報(注意事項等情報)を提供するためのコード(バーコードやQRコード等)を容器等に表示することが要求されますようになりました。この符号を通じて入手できる情報(注意事項等情報)の内容については後述の厚労省令・通知で定められています。
要指導医薬品・一般用医薬品の添付文書
薬機法第52条第2項で規定されています。こちらは従来からの「直接の容器または被包か、これに添付する文書に最新の知見に基づく必要事項を記載せよ」という趣旨の条文です。すなわち、要指導及び一般用医薬品については、最新の論文その他による当該医薬品の性状・効果、副作用その他必要な注意事項を、容器や被包、又は添付文書に記載することが法律上義務付けられています。この「容器または添付文書のいずれか」に記載すればよいという規定により、実務上、注意事項等は紙の添付文書に記載し箱には簡潔な表示のみとする運用がなされています(例えば一般用医薬品では効能効果や用法用量の概要は外箱にも表示し、詳細な注意事項は添付文書に記載されることが通常です。)。
また、薬機法第50条では医薬品の直接容器等への表示事項が定められており、第50条第6号で要指導医薬品の区分表示(「要指導医薬品」の文字表示)、第50条第7号で一般用医薬品のリスク区分表示(第1類・第2類・第3類の表示)義務が規定されています。これに基づき施行規則第209条の2・209条の3で具体的な表示様式(枠で囲んだ「第○類医薬品」の表示法など)が定められ、さらに厚生労働省通知(例:平成20年5月21日薬食発0521001号「薬事法施行規則の一部改正の公布について」)で詳細なガイドラインが示されています。このように、医薬品の容器表示や添付文書に何を記載すべきかについては、『法律→省令→通知』という階層で規定・指導されています。
医療用医薬品添付文書の記載要領と主な記載事項
医療用医薬品の添付文書については、厚生労働省から「記載要領」(ガイドライン)が発出されており、これが具体的な記載項目や様式を定めています。長らくは1997年(平成9年)に通知された旧記載要領(「医療用医薬品添付文書の記載要領について」薬発第606号等)が使われてきましたが、医療の進歩や高齢化、IT化に伴い見直しが検討され、2017年に新記載要領が制定されました。
2017年 新記載要領の策定
平成29年6月8日付で厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(薬生発第1号)および安全対策課長通知(薬生安発第1号)が発出され、添付文書記載要領が約20年ぶりに全面改訂されました。これにより、従来の「使用上の注意」を中心とした構成から、新たな項目立て・レイアウトが導入されています。主な改正点としては、重要な警告や禁忌、重大な副作用等の項目がより明確化されたこと、妊婦・小児・高齢者等の特定の患者群に関する注意が整理されたこと、薬物動態や臨床成績など承認時評価データの記載充実、そしてレイアウトの標準化(フォントサイズ・項目番号付与等)があります。新記載要領の施行は2019年4月1日付とされ、経過措置期間が2024年3月31日まで設定されました。製造販売業者はこの期間内に既存製品の添付文書を新様式へ更新することが求められ、PMDAへの届出・相談期限も当初設定されていました(その後スケジュールは若干延長されています)。新様式では、添付文書情報の電子データ化(後述)も見据え、PMDAへの届出フォーマットがSGMLからXMLへ変更されたことも技術的なトピックです。
添付文書に記載すべき内容
記載要領では添付文書の具体的項目が定義されています。新記載要領における主な項目例として、「警告」「禁忌」「原則禁忌」「重大な副作用」「重要な基本的注意」「相互作用」「適用上の注意」「薬効薬理・作用機序」「有効性・臨床成績」「薬物動態」「包装・貯法」など多岐にわたります。旧要領下で「使用上の注意」として一括されていた事項が、より構造化され番号付き項目となったイメージです。なお、この記載要領に基づく具体的な記載例やQ&Aも厚労省から提供されており、製造販売業者はそれらを参照して添付文書を作成・改訂します。
添付文書の電子化対応(電子添文制度)
2019年の法改正およびその後の省令改正により、医療用医薬品の添付文書は紙同梱から電子提供が原則となりました。改正薬機法の施行日である2021年8月1日以降、医療用医薬品等については紙の添付文書を原則同梱せず、容器や外箱に表示したバーコード等から電子データで添付文書情報を閲覧する形式が採用されています。これを一般に「電子化された添付文書(電子添文)」制度と呼びます。
一般用医薬品等の紙添付文書継続: 上記電子化は主に医療用医薬品(医療関係者向け)を対象とした制度改正であり、一般消費者向けに販売されます一般用医薬品や要指導医薬品については従来通り紙の添付文書同梱が継続されています。一般用医薬品は購入者が必ずしも電子媒体で情報取得できるとは限らないためで、消費者への周知期間を考慮し引き続き紙面による情報提供が義務付けられています。したがってスイッチOTC直後の要指導医薬品なども含め、市販薬については現時点では紙の添付文書が同梱されており、購入者は従来と同様に箱の中の説明文書を読む形式です。
電子添文に関するガイドライン
電子化への円滑な移行のため、厚労省からは「電子化された添付文書の記載要領について」等の通知が発出されています。代表的なものとして令和3年6月11日付薬生発第1号「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について」があり、電子提供となった場合のフォーマットや記載項目の取扱いを定めています。この通知および関連Q&Aでは、電子添文においても基本的な情報項目は新記載要領に準拠しつつ、「符号等(バーコード)からアクセスできる情報」としての体裁や、公衆が閲覧可能なPMDAサイト上の表示方法などについて留意事項が示されています。なお、電子添文制度下でも緊急時のシステム障害等に備え、製造販売業者は紙のバックアップを用意することなど運用上の注意も示されています。
リスク管理計画(RMP)と添付文書の関係
医薬品リスク管理計画(RMP: Risk Management Plan)は、医薬品の開発から市販後に至る安全対策を一貫して計画・実施するため、製造販売業者が策定する計画書です。日本では2012年4月に厚労省から「医薬品リスク管理計画指針について」(医薬食品局安全対策課長通知)が発出され、2013年4月以降に承認申請を行います新医薬品等にRMP策定・提出が義務付けられました。現在、新有効成分医薬品や新たな安全性懸念が判明した承認品目では、承認申請時にRMPを提出し、公表することが求められています。
添付文書とRMPはともに医薬品のリスク情報を扱いますが、その範囲と目的に違いがあります。添付文書には、治験や市販後調査で因果関係が明確に確認された副作用(「重大な副作用」「その他の副作用」)や使用上の注意事項など、確立されたリスク情報が記載されています。一方、RMPには、添付文書に記載されます確定リスクに加えて、「重要な潜在的リスク」(現時点で因果関係が十分確認できないが潜在的に懸念されます有害事象)や「重要な不足情報」(臨床でデータが不十分な事項)まで含め、網羅的にリスクが列挙されています点が特徴です。言い換えれば、添付文書は現時点で判明しているリスクに重点を置くのに対し、RMPは将来懸念されます可能性のあるリスクも含めた計画ということになります。
RMPでは各医薬品について重要なリスク等を洗い出し、安全性監視活動(例: 使用成績調査や治験後調査)とリスク最小化活動の計画を定めます。リスク最小化活動には「通常のリスク最小化策」と「追加のリスク最小化策」があり、前者には添付文書や患者向け医薬品ガイドによる情報提供が含まれます。すなわち添付文書の作成・改訂自体がRMP上の基本的なリスク低減策と位置付けられており、製造販売業者は通常の安全対策として常に最新の知見を添付文書等に反映し医療関係者・患者へ情報提供する責務があります。一方、添付文書だけでは十分でない場合(例えば特定の重大リスクについて添付文書以上に周知徹底が必要な場合)には、追加のリスク最小化策として教育資材の配布、適正使用ガイドの作成、使用条件の制限等が講じられます。このように、RMPにおける「重要な特定されたリスク」の多くは添付文書の「重大な副作用欄」に記載されますし、添付文書改訂はRMP実施の一部でもあります。したがって両者は補完関係にあり、医療現場では新薬使用時に添付文書のみならずRMP概要資料にも目を通すことで、添付文書にまだ記載がない潜在リスクを把握するといった活用法が推奨されています。実際、添付文書に載っていない有害事象でもRMPの「重要な潜在的リスク」「不足情報」として記載されています場合があり、これらは未知のリスクへの注意喚起に役立ちます。このようにRMPは添付文書を補う新しい情報源として位置付けられており、製造販売後安全対策の強化に繋がっています。
添付文書の変更手続き制度
添付文書の内容を改訂・変更する場合の手続きも法令・通知で体系化されています。変更内容が承認事項(行政の承認範囲)に該当するか否かで、大きく手続きが異なります。
承認事項に係る変更
医薬品の効能効果、用法用量、剤形など、承認申請時に当局が審査し許可した事項を変更する場合、薬機法第14条に基づき「一部変更承認申請」(いわゆる一変申請)を行い、厚労省/PMDAの承認を受ける必要があります。例えば新たな適応症追加、用量増減などはこのカテゴリーに該当します。安全性に関しても、重大な禁忌の追加など医薬品の基本的な使い方に影響する変更は承認事項と解釈され、一変申請が求められます。承認前に当該内容の添付文書への反映はできず、申請・審査を経て承認取得後に改訂実施となります。
軽微な変更(承認事項に該当しない変更)
上記以外の添付文書記載内容の変更については、薬機法第14条第10項に基づき「軽微変更届」の対象となります。軽微変更とは、安全性や有効性に影響を及ぼさない軽微な範囲の変更と政令で定義されており、承認申請は不要ですが厚生労働省への届出が義務付けられています。2014年の法改正でこの届出制度が創設され、同年9月1日付の安全対策課長通知「添付文書等記載事項の届出等に当たっての留意事項について」(薬食安発0901第01号)によって取扱いが示されました。製造販売業者は、添付文書の内容変更を行います際、その変更が軽微変更届出の対象であればPMDAに届出を行い、速やかに改訂後の添付文書情報を公表することになります。届出は変更後でも可能ですが、情報提供の観点から変更実施前になるべく事前届出し、届出後は速やかに社外公表することが望ましいとされています。
具体的な届出対象範囲: 軽微変更届の対象となる「添付文書記載事項」はさらに細かく定められています。厚労省のQ&Aによれば、「品名(販売名)の変更」や「使用上及び取扱上の必要な注意」の変更は法令上届出義務ありとされています一方、「薬物動態」「臨床成績」「薬理作用」「包装」等、使用上の注意に該当しないデータ部分のみの変更は届出不要と扱われます。例えば、添付文書中の副作用や禁忌、警告といった使用上の注意に関連する部分を改訂する場合は軽微な修正であってもPMDA届出が必要ですが、薬物動態パラメータの追記や社名変更など内容に変更を伴わない表記ゆれ修正等であれば届出は求められない、といった基準です。ただし届出不要の場合であっても、PMDAのウェブサイト上に公表している添付文書情報はできるだけ最新に更新する努力義務があります。
変更時の当局確認と安全対策
前述のように、軽微変更事項については承認を要さず届出制となっていますが、2010年の「薬害再発防止策に関する提言」では添付文書改訂時の事前確認義務化も提言されていました。これを受け現在では、重大な安全性情報の変更については厚労省との事前相談や安全性速報の発出などを通じ、実質的に当局と企業が連携してタイムリーに改訂を行います体制が整えられています。たとえば重篤副作用が新たに判明した場合、厚労省は「緊急安全性情報(イエローレター)」等で医療現場に周知すると同時に企業に添付文書改訂指示を出し、企業は軽微変更届を行って速やかに添付文書へ反映します。変更届出後、企業各社は自社Webサイトや情報提供資材を通じて改訂内容を公表し、PMDAの添付文書データベースも更新されます。こうした一連の流れは、事務連絡「安全対策措置の検討に関する標準的な作業の流れ」などで標準化されており、添付文書の最新知見への迅速な反映と周知が制度的に担保されています。
おわりに
以上、医薬品の分類ごとの法規や、添付文書の記載事項・電子化・RMP・変更手続きに関する法令・通知・指針を体系的に整理しました。医薬品の適正使用を支えるこれらの制度は、薬機法を中心に省令や厚労省通知で細かく規定されており、常に最新の安全対策の知見を取り入れつつアップデートされています。
参考文献・出典
- 薬機法(医薬品医療機器等法)および同施行規則 – 医薬品の定義・区分、添付文書等に関する条文(第4条、第36条の7、第49条、第50条、第52条 等)
- 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知「添付文書等記載事項の届出等に当たっての留意事項について」(平成26年9月1日付 薬食安発0901第1号)およびQ&A
- 厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(平成29年6月8日付 薬生発第1号)および同安全対策課長通知(薬生安発第1号)
- 厚生労働省医薬・生活衛生局長通知「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について」(令和3年6月11日付 薬生発第1号)
- 厚生労働省「医薬品リスク管理計画指針について」通知(平成24年4月通知)および関連資料
- PMDA医薬品添付文書検索・電子添文ポータルサイト、厚生労働省安全性情報 No.344, 422 など
- 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課通知「医療用医薬品の添付文書等の記載要領に関する質疑応答集(Q&A)について」(平31年 1月17日付)
- 都道府県行政資料(医薬品販売制度案内)
- 福岡市 医薬品販売制度に関する情報ペ-ジ(事業者向け)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/iyakumu/yakumu/jigyosya/iyakuhin_jigyousha_2.html
- 必ず知っておきたい!医薬品の分類について表を用いて詳しく解説! - 薬事法広告研究所
https://www.89ji.com/guide/pharmaceuticals-classification.html